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Eto Ryosuke 著
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オゼモク (odzemok) [スロヴァキア語.]
ハイドゥーターンツの伝統に由来する、スロヴァキア人の踊る舞踊タイプである。踊りのフォームには、ハンガリー人のカナースターンツ、ウグローシュに類似した複合的なフォームをはじめとし、ソロ、グループ、カップルで踊られる武器舞踊の伝統を保存するフォーム、道具を使わないフォームなどがある。

スロヴァキアにおいて今日も踊られ続けているハイドゥーターンツの末裔には次に示すタイプのものがある。「ハイドゥッフ」、「ポドハイドゥッフ」(Podhajduch)、「オゼモク」、「ドゥプラオゼモク」(Duplaodzemok)、「ズボイニーツキ」、「ヤーノシュコヴスキー」(Jánoškovsky)、「ユハースキ」(Juhásky) など。これらハイドゥーターンツの末裔は、スロヴァキア全域において散在的ながら分布する。最も良く普及しているのは、北スロヴァキアにおいてである。踊りのテンポは中位 (♩=96~130) であり、一般に器楽楽団によって伴奏される (楽団の構成は、第1ヴァイオリン2台、第2ヴァイオリン、コントラバスで、しばしばそれにツィンバロンが加わる)。踊りを構成する主な動作は、歩みのステップと、ジャンプするモティーヴ、スクワットするモティーヴとである。ソロダンス、2人舞踊、4人舞踊、グループ舞踊と、様々なフォームで踊られる。一般に男性だけによって踊られるが、時には女性も交じって踊り、さらには、非常に稀ではあるが、女性だけで単独で踊られる場合もある。顕示することを目的とした、絶妙なソロダンスのフォームはスロヴァキア全域に見られる。結婚式などの饗宴に際し、会場の雰囲気が頂点に達した頃にこれは踊られる。結婚式の儀礼的な踊り、「進行役の踊り」としてこれが踊られる例も知られている。

グループによる、サークル隊形を作って踊られるタイプのものは中央スロヴァキアから知られている。これは、休憩の部分と装飾的動作を行う部分との二つから構成される。おとなしい動作で行われる休憩部は、単純な歩みのステップで踊られる。ルゴーザーシュを伴うステップやスタンプを伴うポルカ・ステップを踏んで、円弧に沿って進むのである。第2の、力強くダイナミックな部分は、ツィフラのいくつかのヴァリエーションとレンゲテーとから主として構成され、テンポと雰囲気が次第に高まってゆくに従って、「ハイドゥ」とか「オゼモク」と呼ばれるスクワットするモティーヴが踊られる。そしてこれら二つの部分は、ヴァリエーションを加えつつ交互に繰り返される。時には、斧を使って踊られる。しかしながらこの道具は、装飾としての機能を果たすのみである。一般に、比較的古いスタイルの旋律に合わせて踊られる。

4人によるフォームは、上述のグループ・フォームに近いものである。多くの場合、斧を持って踊られる。そしてそれを、時々サークルの中央で交わし合うのである。

男性2人で踊られるフォームも、休憩部と装飾部の二つから構成される。ただし、その継続時間はグループ、フォームのそれに比べて短めである。スクワットするモティーヴ、「オゼモク」を、互いに向き合って右手を握り合った状態で行う。

男性と女性で踊られるカップルのフォームのオゼモクはまれである。ゴラール人の間でのみ知られている。踊りは、男女が組み合うことなく踊られる。踊りの構造は、上述のものと同様に半ば固定されたものである。すなわち、二つの部分の規則的な繰り返しから踊りは構成され、各部分内部でのモティーヴの並びは、即興によって変化するのである。

ソロ・フォームのオゼモクは、中央スロヴァキアにおいて最も頻繁に見られる。固定されない組み立てで踊られる。そのおかげで、踊り手はその中で変化に富んだ妙技を行うことが可能となっている。踊りの豊かさは、踊り手の力量にかかっているのである。踊りの平面上の動きには規制はない。また、伴奏音楽に規制されることもない。ただし、終止のモティーヴは、多くの場合 音楽の終止と一致する。斧を持って踊られるヴァリエーションがある。そこで特徴的な動作は次のものである。斧を八の字を描くように回転させる動作、斧を脚の下で素早くつかみ渡す動作、地面に突き刺した斧の上をツィフラを使って飛び越える動作、など。

(出典:Stefan Toth, 1966)
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# by kislexikon-a | 2009-10-08 22:57 | ・オゼモク