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Eto Ryosuke 著
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(トランシルバニアの)ヴェルブンク(verbunk)[洪語. < 独語 werbung]
これは、新しいスタイルのヴェルブンク・タイプには属さない。ラッシュー・レゲーニェシュ族に属する男性舞踊の1タイプである。その分布範囲は広く,中央トランシルバニアのほかセーケイ地方にも見られ,さらに,ジメシュ地方のチャーンゴー人やブコヴィナ地方のセーケイ人の間でも踊られている。

4/4 拍子の器楽ヴェルブンコシュ音楽の伴奏で踊られる。リズム伴奏は遅いデューヴェーによる。現れる旋律の中には,外国起源の旋律や「民謡風にこしらえた歌」なども含まれる。特徴的なのは,長音階の動機の繰り返しからなる「アプラーヤーク」と呼ばれる間奏旋律である。4音節の楽句や8小節のストローフの連続の中に,この6音節長の「アプラーヤーク」が挟まれるために,舞踊音楽につきものの均一格(継起する楽句の長さが均一であること)が乱されている。

構造上の発達度の違いや音楽との同調度の違いなどにもとづいて,三つのサブタイプに分類されている。セーケイ・ヴェルブンクと、中央トランシルバニアのヴェルブンク,マロシュセーク地方のヴェルブンクとである(このうち,セーケイ・ヴェルブンクについては別の項を設けて説明してある)。

中央トランシルバニアのヴェルブンク:
ハンガリー人、ルーマニア人ともに踊るが,踊れる人は限られている。伴奏音楽は、♩を基本とするヴェルブンコシュ音楽。テンポは♩=140~190。踊りは、音楽の拍動を二分した♪を基本の拍動として踊られる。使われるモティーヴは,シューリュー・レゲーニェシュのそれのうち,速いテンポでも踊れるものが使われる。ポントは,4小節からなる(→スィーク村の踊り)。

マロシュセーク地方のヴェルブンク:
マロシュセーク地方とメゼーシェーグ地方の東部で踊られる。ソロダンスのフォームのほか,グループでサークルを作って踊られる様式もある。かつては,「踊りの一連」の導入の踊りとして踊られていたが,今では,休憩時に器用さの顕示の踊りとしてもっぱら踊られる。特にその場合には,速いテンポの(エスタムのリズム伴奏による)ツィガーニ・ヴェルブンクが踊られる。伴奏音楽に使われる旋律は,トランシルバニアのヴェルブンクの中で最も種類が豊富である。モティーヴは、<88><4>;<8888>< 88><4>;<4><4><4><4>といったリズムで行われる。踊りは,4小節長のポントに分節される。ポントの終わりは、♪♪♪;♪♪♪;♪♪♪♪;♪♪♪♪といったリズムのボカーゾーやチャパーシュによる終止モティーヴーによってしめくくられる。継続時間は長い。ポントの繰り返しや循環が規則的に行われる。拍手しつつ歩む導入部,休憩部と,脚技を主とする華やかな動作の部,間断なくチャパーシュが行われる部とが継起する組み立てになっている(ABCAB‐CABC‥‥など)。

(出典:Martin György 1990:Ugrós-legényes tánctípus. In Magyar Néprajz VI.)
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by kislexikon-a | 2009-09-09 22:04 | ・〃(トランシルバニアの)