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Eto Ryosuke 著
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(スロヴァキア人の)ヴェルブンク(verbunk)[スロヴァキア語. < 独語 werbung:募兵, 宣伝.]
スロヴァキア人の間に伝わる踊りで,サークルの隊形を作って踊られる半ば固定された構造の男性舞踊である。拍節が2/4拍子あるいは4/4拍子で,中位のテンポで厳格な雰囲気で演じられる。ハンガリー人のヴェルブンクの場合と同様に,18世紀に行われた踊りを使った募兵活動に発祥するものである。最も一般的な普及が見られるのは東スロヴァキア(シャーロシュ地方,ゼンプレーン地方)であるが,上リプトー地方や南スロヴァキアにおいても散在的ながら分布が見られる。

多くの場合ヴェルブンクは、二つの部分から構成される。単純な歩みのモティーヴ(ポルカ・ステップ,ボカーゾーなど)から構成される導入部分,休憩部分と勢い良く華やかな動作を踊る脊梁の部分とである。後者の部分は,チャパーシュやスタンプを行うモティーヴ,さらにはリーダーの号令のもとに行われる様々な動作からなる。号令で指定される動作は,多くの場合コミカルなものである(例えば、「耳をつかんで踊れ!」とか「鼻をつまんで!」とか「しゃがみ込んで!」など)。二つの部分は何度か交互に繰り返される。

このタイプの踊りの最も典型的な例としては,シャーロシュ地方に伝わる「ヴェルブンク」と,「ソロ・マダル」(Solo mad'ar:ハンガリー人のソロダンス),「マルハンスカ」(Marhaňska)とが挙げられる。また、ゼンプレーン地方のヴェルブンクもそれに付け加えられよう。シャーロシュ地方の「ヴェルブンク」も「マルハンスカ」も,二つの部分から構成され,リーダーによる号令に従って踊られる踊りである。いずれの踊りも,華やかな動作を行う部分と休憩部分との二つ交互の繰り返しからなる。

「マルハンスカ」では,華やかな動作の部分はユーモラスな様式で行われる。また踊りは,数多くのストローフで歌われる長めの歌に沿って組み立てられている。シャーロシュ地方の「ヴェルブンク」は,"Izde verbunk, izde ‥‥"(ヴェルブンクは踊られ続ける‥‥)で始まる民謡に合わせて踊られる。一方「マルハンスカ」の場合は,ヴァリエーションしつつ繰り返される器楽音楽の動機の連鎖から成る2/4拍子の旋律に合わせて,踊りは踊られる。いずれの踊りも,そのテンポは中位(♪=132~135)である。

「ソロ・マダル」は、上の二つに比較して単純な組み立てである。すなわち,唯一の旋律に沿って組み立てられたこじんまりとした踊りである。踊りは,歩みのモティーヴとチャパーシュを行うモティーヴとから成る。号令に合わせて踊られる部分は,この踊りにはない。踊りの構成は上記2種のタイプと大きく異なるのではあるが,伴奏音楽の性質から、この踊りもヴェルブンク・タイプに分類されているのである。

(出典:Stefan Toth, 1966)
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by kislexikon-a | 2009-09-13 15:58 | ・〃(スロヴァキア人の)