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Eto Ryosuke 著
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糸紡ぎ (fonó) [洪語. fon:(糸を) 紡ぐ, 編む.]
麻くずの紡ぎ作業を共同で行う集いの場である。そこでは,民謡が歌われる他,様々な伝統的遊びが伴った。
この習慣は,麻作りと同じ程に長い歴史を持つものである。糸紡ぎ作業は,秋の収穫時期から謝肉祭にかけての期間に行われる仕事で,それに関連して極めて変化に富んだ制度が形作られている。主要なタイプを列挙すると以下の様になる。

1.親族同士,友人同士の助け合い。構成員の一人の家に全員が集まり,その家に集められた麻クズを協力して紡ぐ。全てを紡ぎ終わると別の家へ移り,こうして、最終的に全員の家を回るという様式。
2.暮らし向きのいい家主たちがそれぞれ別々の日に,村の娘たちを対象にして紡ぎの会を催すという様式のもの。そこでは,仕事と引換えに,家主が娘たちをもてなし,娯楽をも提供した。
3.最も良く企画されたもので,本来の意味での「糸紡ぎ」と呼べるものは,村内の娘たちによって開催された様式のものである。これは,村内の一軒の家や一つの部屋を共同で借り,照明と暖房の設備を共同で購入した上で,各人がそこに自分の道具を持ち込んで仕事をする,という様式のものである。この様式の糸紡ぎは,フォノー(fonó),フォノーカ(fonóka),グジャヤシュ(guzsalyás)などと呼ばれるもので,年齢集団ごと別々に開催されるものである。娘たちのグループの他に,婦人たちのグループ,成熟した娘たち(nagylányok)のグループ,思春期の娘たちのグループなどによって開催された。したがって一つの村の中には,それぞれ別々の糸紡ぎ小屋を会場にして,複数の糸紡ぎが開催されることになる。歌や物語・仮装・劇などを伴って互いを訪問するという風習が形作られたのはこのためである。糸紡ぎのうち,最も変化に富んだ親密な生活の舞台となったのは,「踊りのあるフォノー」 (táácos fonó) と呼ばれるものである。そこには,青年たちもやって来て夜を過ごしたという。

この糸紡ぎの制度は,家内製手工による麻の生産が廃れたことに伴って,今世紀の前半に消滅した。しかしながらその痕跡は,今日においても散在的ながら見いだされる。糸紡ぎにおける仮装がそれである。例としては,ベチャール劇(betyár játék),コウノトリの仮装(gólyaalakoskodás),葬式劇,山羊の仮装(kecskealakoskodás),結婚披露宴の劇(lakodalmas játék),馬の仮装(lóalakoskodás),クマの仮装(medveakoskodás)などが挙げられる。

(出典:Magyar Néprajzi Lexikon)
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by kislexikon-a | 2009-09-13 15:49 | ・糸紡ぎ