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Eto Ryosuke 著
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アプラーヤーク (apráják) [洪語. < apró:細かい, 些細な.]
音楽用語。もともとは,バグパイプの演奏の際に行われる手法として発祥する。歌詞のある旋律 (ストローフ) それぞれに続いて演奏される,歌詞のない一定した装飾旋律である。2~4小節長の動機の繰り返しから成る,つながりの緩い連鎖である。またその音階は長六音音階である。演奏者は,この一定した動機群を演奏している間に,次に演奏すべく旋律 (ストローフ) へ向けて心の準備や計画を立てる。

この奏法は,後にジプシー楽団に受け継がれ,バグパイプ以外の楽器の演奏においても使われるようになる。

バルトークは,マラムレシュ地方のルーマニアン・ジプシーによるヴァイオリン演奏の中に見いだされる,バグパイプの「アプラーヤーク」とその演奏方法とを真似ている実例を報告した。また,ヴァルジャシュ・ラヨシュは,トランシルバニアの踊りの伴奏音楽の中で,この奏法が今日においても使われ続けている事実を報告している。最近では,ハルモシュ・ベーラがスィーク村の踊りの一連の伴奏音楽を分析し,完全に「アプラーヤーク」の性質を備えた動機の連続を彼はその中に見いだしている。

ハンガリーの民俗音楽において,この「アプラーヤ」は,純粋に器楽音楽に由来する唯一の音楽要素である。というのも,楽士たちの演奏する旋律は,これ以外のものは全て歌詞の知られた旋律 (に由来するもの) だからである。

(出典:Vargyas Lajos 1990:Hangszeres zene. in Magyar Néprajz VI.)
by kislexikon-a | 2009-09-13 15:34 | ・アプラーヤーク
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